私は劣等感が強く、自分に自信がない。物事に対して消極的で、落ち込みやすく、口数は少ない。他人から「暗い」と言われひどく傷付いたこともある。

　私は以前から内向的でおとなしく、目立たない人間だったと思う。しかし、高校に入学するまでは劣等感はあまり無かったと思う。

　しかし、高校に入学してから授業で発表することが多くなり、号令係にもなってしまい私の吃音は悪化した。クラスメイトから笑われ、真似され、馬鹿にされた。このことは私のトラウマになった。他人に笑われたくなかった。しかし、どうすることもできなかった。自分が吃るからいけないのだ、と自分を責めた。やり場の無い怒りを自分にぶつけた。自分のことが大嫌いになった。自分はこの世の中では生きていけない、生きていても仕方ないと思った。そして１学期が終わると学校へ行かなくなった。学校へ行く振りをして公園やコンビニ、本屋で時間を過ごした。不登校になって１週間して親にばれた。父は私を叱った。執拗に理由を尋ねた。吃音で苦しんでいることなど家族の前で言いたくなかった。私は「学校が楽しくない」とだけ言った。次の日、１日だけ学校へ行かされた。しかし、その次の日からまたサボった。また叱られた。私は吃音で苦しんでいることを手紙で伝えた。両親は泣いていた。父は学校を休むことを許可してくれた。心理カウンセラーにも連れて行ってくれた。授業では発表しなくていいようになった。週に２回カウンセラーに通いながら学校へ復帰した。私の１ヶ月の登校拒否は終わった。

　私は高校に入学してから他人にどう思われるか、をずっと気にしてきた。変な奴だと思われたくなかった。笑われたくなかった。これ以上傷付くのが怖かった。

　しかし、大学生になって変わった。カウンセラーにこう言われた、「それで君はどうしたいの？」。私はハッとした。そんなこと考えたことが無かった。それ以来、自分の気持ちを大切にしようと思うようになった。これからも選択を迫られることは多いと思うが、よく考えて自分の気持ちに正直に生きたいと思う。その結果、失敗しても自分が決めたことなら後悔は少ないはずだから。